面接官の冷たい視線
面接官「ではAさん自己PRをお願いします」
学生A「私の強みは責任感です!それは、サークルで・・・・」
目の前に座る面接官は、
どっしりと構え、睨みつけるような視線を飛ばし、
「そう・・・」
と一言。
さらに、
「それって、当たり前だよね」
と追撃。
「終わった・・・。落ちた・・・。」
そう確信する瞬間。
しかし、それでも面接は続く・・・
その後も、
面接官の厳しい質問攻めにあい、
自己分析をほとんどしていなかったせいで
全く答えられず
「えーっと・・・」
「それは・・・」
しどろもどろ。
背中には汗びっしょりで、
タラッーっと流れていくのを感じる。
顔は赤くなり、
はたから見ても無様以外の何者でもない。
一緒に面接を受けている他の2人の学生も、
「早くしろよ。こっちの面接時間が短くなるだろ!」
とイライラしているようだ。
威圧的だった面接官も今ではあきれかえった様子。
書類には大きく「×」を書くのが見えた・・・
次に、学生Bの自己PRが始まる
「私の強みは・・・」
面接官はうなずき、必死でメモを取っている。
そして、興味深々に質問をしていた。
質問に対するBの答えも完璧だ。
コンパクトに、それでも十分理解できる本質的なことだけを話している。
だが、話の内容だけで、面接官の態度があそこまで変わるものなのか・・・
Aには持っていない「何か」がBにはあるように思えた。
面接終了後。
Aは一人肩を落として、
「なんで上手くいかないんだろう・・・?」
そんな事を考えながら、
うつむき下を見て歩く。
いくら考えても答えは分からない。
なんで自分は上手に話せないのか
なんで面接官に好意を持ってもらえないのか
なんで毎回不合格になってしまうのか
考えても、考えても分からないまま。
そして、就活が嫌になる・・・
もう、面接が怖い。
やりたくない。
どうしたらいいのか分からない。
一方でBは面接終了後に確実な手ごたえをつかんでいた。
「開始の1分でラポールを築くことができたし、
3段階プレゼンテーションで完璧にアピールしきった。
面接官が求めていることを適切に志望動機や自己PRに取り入れることができたし、これは受かったに違いない」
それから3時間後。
「ブー。ブー。」
携帯のバイブが音が鳴る。
知らない番号からだ。
「もしもし・・・」
「本日は面接のお越し頂きありがとうございました。
選考の結果、Bさんには次の面接に進んでいただきたく思います。」
合格の通知だ!
思わず電話を持っていない方の手でガッツポーズをしてしまった。
日程の調整に入るが、受ける面接が次々と合格するので、
手帳には「二次面接」「最終面接」と書かれたスケジュールで
いっぱいになっている。
企業側が提案してきた日は予定で埋まっていた。
「違う日にお願いしたいのですが」
と言うと、好意的に別日程を提案し、調整してくれた。
「【調整はしない。他社を辞退しろ。】なんて
理不尽なことを言う会社も極まれにあるが、そんな所は入社してから
もっと不当に扱われつらい思いをするだけだと思う。
でも、この会社は理不尽なことはしない、人を大事にする会社だな」
と分かりまた1つその会社を好きになった・・・
あなたはAとBどちらに近いですか?
ではまた。
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